ブログ(仮)
Posted by l.c.oh - 2006.02.20,Mon
人間らしい生活を送るために、まずは早起きすることから始めよう、と思う今日この頃。
→そのためには早寝しないと。
→でも結局睡眠時間が延びておしまいのような気がする。
「iPod」直接接続、クルマの標準装備へ一歩
今はFMトランスミッターを使ってカーオーディオを聴いている身としては、iPodがカーオーディオに直接つなげるようになってきたことはうれしい限りである。
FMトランスミッターって、音質も微妙だし、わざわざ車内から電波飛ばして車外のアンテナで受信して再生するってのも迂遠でしょう。でもまだ高すぎる。せめて、自分が車を買えるようになるころ(何年先?)までには、半分くらいの値段にはなっていてほしいものです。
車でクラシックを聴くとなると、遮音性の向上も必要。大抵pでも聞こえるように音量設定しておくので、ffとかになるとうるさくてよくわからなくなる。もっとも、遮音性を高くすると車の異常や周りの状況が耳で感知できなくなるというデメリットもあるので、一概に遮音性を高めるのが望ましい、とも言えないのでしょうが。
→そのためには早寝しないと。
→でも結局睡眠時間が延びておしまいのような気がする。
「iPod」直接接続、クルマの標準装備へ一歩
今はFMトランスミッターを使ってカーオーディオを聴いている身としては、iPodがカーオーディオに直接つなげるようになってきたことはうれしい限りである。
FMトランスミッターって、音質も微妙だし、わざわざ車内から電波飛ばして車外のアンテナで受信して再生するってのも迂遠でしょう。でもまだ高すぎる。せめて、自分が車を買えるようになるころ(何年先?)までには、半分くらいの値段にはなっていてほしいものです。
車でクラシックを聴くとなると、遮音性の向上も必要。大抵pでも聞こえるように音量設定しておくので、ffとかになるとうるさくてよくわからなくなる。もっとも、遮音性を高くすると車の異常や周りの状況が耳で感知できなくなるというデメリットもあるので、一概に遮音性を高めるのが望ましい、とも言えないのでしょうが。
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Posted by l.c.oh - 2006.02.19,Sun
友人たちと蔵王にスキーに行ってきました。
泊まった宿(松金屋アネックス)の温泉のpH値が、記憶違いでなければ
pH=1.6
胃液並み。入浴上の注意にも、「銀製品を入れると一瞬で錆びますのでご注意」の文字が。お湯も硫黄色がやたら濃い。こんな湯に喜んでつかるのだから、全く物好きである。
さて。
信用保証料率、リスクに応じて9段階に
今まで一律の保証料で中小企業の保証人になっていた信用保証協会が、企業体力に応じて保証料を変えることになった、というニュース。
保証料が一律なら、保証協会は中小企業の審査をする必要があまりないので、その分のコストがかからず、ある意味合理的ともいえそうな気もします。
しかし、本来であれば、優良な企業はもっと安く保証をしてくれるところを見つけて信用保証協会を使わなくなり、結果としてあまり状況がよくない企業ばかりが信用保証協会を使うようになる、となるはずです。そうなると、それにあわせて保証料も高くしないと維持できなくなり、優良企業はますます信用保証協会を使わなくなる、という悪循環になり、早晩信用保証協会は立ち行かなくなりそうです。(一律の保証料というシステムが今まで維持できたのは、まぁ、中小企業がお金を借りるときに保証をする会社がなかったからで、だからこそ政策的に「信用保証協会」なんてものが出来たのですが。)
さらに、これは実質的には、優良な中小企業の負担で体力に問題のある企業を支援していることになり、優良な中小企業の反発が起こるのは当然です。最近では、ベンチャーキャピタルや株式の新興市場に代表されるように、きちんとした中小企業にとっては、銀行貸し出し+保証協会が資金調達の唯一の選択肢ではなくなってきた、という状況もあり、見直しの声を上げられるようになったのだと思います。
ただ、今まで保証協会の安い保証料のおかげで資金調達ができていた中小企業は、当然資金調達が難しくなるわけで、この辺をどう考えるかは微妙なところです。
泊まった宿(松金屋アネックス)の温泉のpH値が、記憶違いでなければ
pH=1.6
胃液並み。入浴上の注意にも、「銀製品を入れると一瞬で錆びますのでご注意」の文字が。お湯も硫黄色がやたら濃い。こんな湯に喜んでつかるのだから、全く物好きである。
さて。
信用保証料率、リスクに応じて9段階に
今まで一律の保証料で中小企業の保証人になっていた信用保証協会が、企業体力に応じて保証料を変えることになった、というニュース。
保証料が一律なら、保証協会は中小企業の審査をする必要があまりないので、その分のコストがかからず、ある意味合理的ともいえそうな気もします。
しかし、本来であれば、優良な企業はもっと安く保証をしてくれるところを見つけて信用保証協会を使わなくなり、結果としてあまり状況がよくない企業ばかりが信用保証協会を使うようになる、となるはずです。そうなると、それにあわせて保証料も高くしないと維持できなくなり、優良企業はますます信用保証協会を使わなくなる、という悪循環になり、早晩信用保証協会は立ち行かなくなりそうです。(一律の保証料というシステムが今まで維持できたのは、まぁ、中小企業がお金を借りるときに保証をする会社がなかったからで、だからこそ政策的に「信用保証協会」なんてものが出来たのですが。)
さらに、これは実質的には、優良な中小企業の負担で体力に問題のある企業を支援していることになり、優良な中小企業の反発が起こるのは当然です。最近では、ベンチャーキャピタルや株式の新興市場に代表されるように、きちんとした中小企業にとっては、銀行貸し出し+保証協会が資金調達の唯一の選択肢ではなくなってきた、という状況もあり、見直しの声を上げられるようになったのだと思います。
ただ、今まで保証協会の安い保証料のおかげで資金調達ができていた中小企業は、当然資金調達が難しくなるわけで、この辺をどう考えるかは微妙なところです。
Posted by l.c.oh - 2006.02.14,Tue
世間はバレンタインデーで浮かれてるみたいですね。
NHK-FMがすごい。今日は14時ごろと20時ごろと外出したのですが、カーステレオでNHK-FMをかけたら、やってた曲は↓こんなのでした。
・ハイドン 交響曲第101番(全楽章)
・ブラームス クラリネット五重奏曲(全楽章)
・シェーンベルク 浄夜(弦楽六重奏版全曲)
・モーツァルト 初期のセレナーデ特集
選曲もさることながら、全部全曲きちんとやるところが素晴らしい!CMのない公共放送ならではです。公共放送なのに、こんなごく一部にしか受けなそうなプログラムを放送していていいのか、という気もしますが。
NHK-FMがすごい。今日は14時ごろと20時ごろと外出したのですが、カーステレオでNHK-FMをかけたら、やってた曲は↓こんなのでした。
・ハイドン 交響曲第101番(全楽章)
・ブラームス クラリネット五重奏曲(全楽章)
・シェーンベルク 浄夜(弦楽六重奏版全曲)
・モーツァルト 初期のセレナーデ特集
選曲もさることながら、全部全曲きちんとやるところが素晴らしい!CMのない公共放送ならではです。公共放送なのに、こんなごく一部にしか受けなそうなプログラムを放送していていいのか、という気もしますが。
Posted by l.c.oh - 2006.02.11,Sat
本当に久しぶりに台所に立つ。まともに料理を自分で作ったのは半年振りくらいだろうか。
それ以外はひたすら家でぐうたら。祝日だろうがなんだろうが、ぐうたらなのは変わりなし。
今日は建国記念の日だそうで。こいつは戦前の紀元節、つまり、神武天皇が即位した日とされている日を太陽暦に換算した日。未だに戦前を引きずってる珍しい祝日。
建国記念日ではなくて建国記念の日なのは、「史実に基づく建国の日とは関係なく、建国されたという事象そのものを記念する日であるという考えによるもの」なのだそうだ(wikipediaより)。苦しい言い訳。
戦後2月11日が祝日に設定されたときは、皇国史観の中で育った人たちがそれに基づいて定めた祝日だったのだろうし、今でもこれをネタに建国記念の日には賛否両論ある模様。ただ、今の若い人たちの中で、建国記念の日を皇国史観と結びつける人がどれだけいるか。まぁ、いてもごく少数でしょう。
理由はどうあれ、祝日はありがたいもの。でも、土曜日とかぶるとありがたみ半減。いずれにせよ、現在の僕には祝日だろうが関係ないのが心苦しいところですが。
それ以外はひたすら家でぐうたら。祝日だろうがなんだろうが、ぐうたらなのは変わりなし。
今日は建国記念の日だそうで。こいつは戦前の紀元節、つまり、神武天皇が即位した日とされている日を太陽暦に換算した日。未だに戦前を引きずってる珍しい祝日。
建国記念日ではなくて建国記念の日なのは、「史実に基づく建国の日とは関係なく、建国されたという事象そのものを記念する日であるという考えによるもの」なのだそうだ(wikipediaより)。苦しい言い訳。
戦後2月11日が祝日に設定されたときは、皇国史観の中で育った人たちがそれに基づいて定めた祝日だったのだろうし、今でもこれをネタに建国記念の日には賛否両論ある模様。ただ、今の若い人たちの中で、建国記念の日を皇国史観と結びつける人がどれだけいるか。まぁ、いてもごく少数でしょう。
理由はどうあれ、祝日はありがたいもの。でも、土曜日とかぶるとありがたみ半減。いずれにせよ、現在の僕には祝日だろうが関係ないのが心苦しいところですが。
Posted by l.c.oh - 2006.02.11,Sat

- 高野 和明
- 13階段
友人の勧めで読んでみた本、平成13年度の江戸川乱歩賞受賞作です。
犯行時刻前後の記憶を失ったまま死刑判決が執行されようとしている死刑囚の冤罪を晴らすために、刑務所の職員と出所したばかりの青年が事件の真相を追いかける話です。
エンターテイメント作品として見たときに、非常に面白い作品だったと思います。死刑や法・政策の批判についての重い重い議論が随所にちりばめられていながら、物語自体が滞ることなく、謎解きものとしての面白さを十分に味わうことができました。後半から結末にかけてのスピード感はかなりのもので、多くのレビューが「一気に読んでしまった」といっているのも納得です。
一方、この小説が提起している「死刑制度は廃止すべきか」、「多様な人を法律で規制することの限界」、さらには、「人が人を裁くことの矛盾性」という問題については、特に法律を学ぶ者としては常に考え続けなくてはいけない問題だと思います。中でも、死刑制度については、多様な人の多様な感情がひどく交錯する問題で、扱いが難しい。とりあえず、印象に残った一文として、「死刑の議論は、人を感情的にさせる何かがある」という刑務官のせりふをあげて、お茶を濁すことにします。
とても面白い作品なので、おすすめします。
2月11日 自宅で読了
★★★★★
Posted by l.c.oh - 2006.02.10,Fri
NIKKEI NETの記事
ついにこういう時代になってきましたね。
税金をカードで払う、というのは、アメリカでは結構一般的なことだそうです。アメリカでは、スピード違反の罰金までカードで払えるとか(ソースの記憶がないので、信用できる情報かどうかわかりませんが。)。
日本の法律では、税金を特別扱いしていることがよくあります。例えば、破産したときにも、税金については他の人よりも優先的にお金を配当してもらえるような仕組みになっています(破産法148条1項3号)。
さてこのとき、カードで払えるとなると、破産したときの扱いはどうなるのでしょう?カード会社は、優先的にお金をもらえるはずの税金の債権と、普通の買い物などによる債権と、どっちも持っているような事態になります。これを分けて配当すればいいのですが、多分そのための仕組みはまだありません。法律上の問題もまだ全然詰められていない(例えば、国の税金取立てについて定めた国税徴収法には、カード払いを想定した条文はまだないのだと思います。今回は地方自治体が取る税金なのでできたのでしょう。)ので、実際やる段になると、細かい問題がいろいろ出てくるはずです。
カード納税の方が先に動き出してしまうとなると、法律上の問題は急いで研究しないといけませんね。学者の方々に頑張ってもらいましょう。
ついにこういう時代になってきましたね。
税金をカードで払う、というのは、アメリカでは結構一般的なことだそうです。アメリカでは、スピード違反の罰金までカードで払えるとか(ソースの記憶がないので、信用できる情報かどうかわかりませんが。)。
日本の法律では、税金を特別扱いしていることがよくあります。例えば、破産したときにも、税金については他の人よりも優先的にお金を配当してもらえるような仕組みになっています(破産法148条1項3号)。
さてこのとき、カードで払えるとなると、破産したときの扱いはどうなるのでしょう?カード会社は、優先的にお金をもらえるはずの税金の債権と、普通の買い物などによる債権と、どっちも持っているような事態になります。これを分けて配当すればいいのですが、多分そのための仕組みはまだありません。法律上の問題もまだ全然詰められていない(例えば、国の税金取立てについて定めた国税徴収法には、カード払いを想定した条文はまだないのだと思います。今回は地方自治体が取る税金なのでできたのでしょう。)ので、実際やる段になると、細かい問題がいろいろ出てくるはずです。
カード納税の方が先に動き出してしまうとなると、法律上の問題は急いで研究しないといけませんね。学者の方々に頑張ってもらいましょう。
Posted by l.c.oh - 2006.02.09,Thu
- 椎名 慎太郎
- 遺跡保存を考える
遺跡保存を、主として制度の問題点を中心に検討する本です。検討する、といっても、岩波新書なので、非常にやさしく書かれています。
遺跡を保存するということは、開発を犠牲にすることにつながるため、この2者のバランスが重要になります。また、一度失われてしまった遺跡は、元に戻すことができません。その意味で、自然環境保護と開発のバランスを考えることとよく似ています(現に、環境法を主に検討している学者は、文化財についても関心が強いことが多いです。「歴史的環境権」という言葉もあるようです。)。
この本が出たのは1994年ですが、自然保護についてはそれ以降非常に社会の関心が高まっている一方、遺跡の保存への関心はなお高いとは言いがたい状況でしょう。遺跡に限らず、文化財保護法制はまだ非常に貧弱なのは間違いのないことで、法整備を進める必要があるのですが、その必要性があまり知られていないため、大きな議論にはなってこないのです。ぜひ広く関心を持ってもらいたい分野です。
この本自体は、遺跡保存に軸足を置いて議論しているので、一面的な議論もないわけではないのですが、社会の関心を喚起しようという意味で、非常に優れた本だと思います。行政法の学者の方が書いていますが、原告適格(小田急訴訟の時に書いたことがあります。)の話とかも分かりやすく書かれているし、吉野ヶ里遺跡とか長屋王の邸宅の跡とかのメジャな遺跡を多く取り上げていますので、法律を全く知らない人でも抵抗なく読めると思います。
2月9日 自宅で読了
★★★☆☆
Posted by l.c.oh - 2006.02.09,Thu
信託法改正について、法制審議会の答申が出たようです。
NIKKEI NETの記事
法制審議会の答申
信託法という法律は明治時代にできたもので、今までほとんど改正を受けていませんでした。証券化などで、信託への関心が高まり、当初予定していたのと違った使い方がされるようになってきたため、改正の必要性が言われるようになり、一昨年(多分)、信託を扱う会社について規定した信託業法が先行して改正されました。そして、この度、信託法についても改正の内容がほぼ固まったわけです。
改正案はいろいろな改正を含んでいますが、僕の関心からいくと、信託宣言ができるようになることが大きい。
信託、というのはそもそも、誰かに資産を預けて運用してもらったりする仕組みですが、信託すると、預けた人からも預けられた人からも資産が分離して、いずれに対する債権者も信託された資産に手を出せなくなる、という特徴があります。つまり、いずれにお金を貸している人も、預けた人などが破産してしまったときに、信託された資産を売り払ってお金を返してもらうことができないのです。
「信託宣言」というのは、資産を自分の手元に置いたままで、「この資産を信託するぞ」と宣言することで、債権者の手が及ばない資産を作れる仕組みのことを言います(当然、よくない使われ方をする可能性が高いので、それをカバーする規制がかかっています。答申第1-2(3)参照。)。これは、アメリカやイギリスなどでは認められていますが、日本では認められていないと考えられていました。
「僕の関心」というのは証券化のことで、これが認められたところで一般の人たちにはほとんど影響がありません。証券化では、証券化する資産を入れる入れ物(SPVといいます)が必要ですが、これを作るときに信託宣言が広く使われています(どういう風に使われるかは、証券化について詳しい説明がいるので省略。)。しかし、日本ではできないので、今のところ英米法の使える場所(主にケイマン諸島)を使う方法が一般的です。日本でも信託宣言ができるとなると、使い勝手にもよりますが、日本国内で完結する証券化が楽にできるようになるでしょう(日本国内で完結すれば、日本の法律で全部フォローできるため、便利なのです。)。
ということで、信託法改正、注目です。
NIKKEI NETの記事
法制審議会の答申
信託法という法律は明治時代にできたもので、今までほとんど改正を受けていませんでした。証券化などで、信託への関心が高まり、当初予定していたのと違った使い方がされるようになってきたため、改正の必要性が言われるようになり、一昨年(多分)、信託を扱う会社について規定した信託業法が先行して改正されました。そして、この度、信託法についても改正の内容がほぼ固まったわけです。
改正案はいろいろな改正を含んでいますが、僕の関心からいくと、信託宣言ができるようになることが大きい。
信託、というのはそもそも、誰かに資産を預けて運用してもらったりする仕組みですが、信託すると、預けた人からも預けられた人からも資産が分離して、いずれに対する債権者も信託された資産に手を出せなくなる、という特徴があります。つまり、いずれにお金を貸している人も、預けた人などが破産してしまったときに、信託された資産を売り払ってお金を返してもらうことができないのです。
「信託宣言」というのは、資産を自分の手元に置いたままで、「この資産を信託するぞ」と宣言することで、債権者の手が及ばない資産を作れる仕組みのことを言います(当然、よくない使われ方をする可能性が高いので、それをカバーする規制がかかっています。答申第1-2(3)参照。)。これは、アメリカやイギリスなどでは認められていますが、日本では認められていないと考えられていました。
「僕の関心」というのは証券化のことで、これが認められたところで一般の人たちにはほとんど影響がありません。証券化では、証券化する資産を入れる入れ物(SPVといいます)が必要ですが、これを作るときに信託宣言が広く使われています(どういう風に使われるかは、証券化について詳しい説明がいるので省略。)。しかし、日本ではできないので、今のところ英米法の使える場所(主にケイマン諸島)を使う方法が一般的です。日本でも信託宣言ができるとなると、使い勝手にもよりますが、日本国内で完結する証券化が楽にできるようになるでしょう(日本国内で完結すれば、日本の法律で全部フォローできるため、便利なのです。)。
ということで、信託法改正、注目です。
Posted by l.c.oh - 2006.02.09,Thu

- 鷺沢 萠
- さいはての二人
鷺沢氏の最後の恋愛小説集だそうです。
恋愛小説集とはいっても、世に言う「恋愛」の要素はさほど強くなく、鷺沢氏が30歳前後からずっとテーマとしてきた「帰属感」が恋愛を通して描かれる小説です。端的にいうと、「家族(ホーム)」がテーマなのでしょう。特に表題作は、『ウェルカム・ホーム』という小説と非常によく似ていて、「美亜のウェルカム・ホーム」とでもいう作品です。
加えてこの本では、死が大きなテーマになっています。鷺沢氏は亡くなる直前、死をいかに見つめていたかがちょっと分かるような気がします。
日本語がうまいのは相変わらず。素敵な小説集です。
2月9日 自宅で読了
★★★★☆
Posted by l.c.oh - 2006.02.08,Wed

- 鷺沢 萠
- ありがとう。
鷺沢萠のエッセイ集です。
僕は、この人の書く文章が好きです。内容もさることながら、鷺沢氏ほど美しい・うまい日本語の使い手を僕は知りません。20歳までには緻密で繊細な日本語は完成しており、25歳くらい(多分)を境に力が抜けて、「美しい」文章から「うまい」文章になっていきます。高校後半から大学前半までは、まさにバイブルのように常に枕頭に作品を置いていた作家です。
なので、昨年4月に鷺沢氏が亡くなったときには、非常に大きな衝撃をうけました。これ以上この人の文章が読めなくなることに、勝手に喪失感を感じていました。
実はこの本、『ナグネ・旅の途中―場所とモノと人のエッセイ集』というタイトルで、単行本が発行されています。文庫本しか買わない主義の僕ですが、この本は鷺沢氏が亡くなった直後に購入していました。「買わないでいいかぁ」と思っていたのですが、手にとって見ると、裏表紙には「未発表原稿も収録」の文字が!ということで、角川文庫の計略にかかって買ってしまいました。
自らも言っているように、「社会派」の色彩が強いエッセイも結構入っていますが、メインの主題は「旅」「帰属性」です。内容については昔ほど素直に共感できるものばかりではなくなっているのですが、日本語の使い方はやっぱりうまい。
どうでもいいことですが、表紙の写真が左手に腕時計をしているのが気に食わない。腕時計を右手にしているっていう話(「嘘と腕時計」)を収録するなら、右手に腕時計をして表紙を作ってほしかったな、などと思ってみたり。本当にどうでもいいですが。
2月8日 自宅で読了
★★★★☆
僕が(一部)書いた本が出版されました
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法科大学院生
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