ブログ(仮)
Posted by l.c.oh - 2006.02.08,Wed
- 鷺沢 萠
- ありがとう。
鷺沢萠のエッセイ集です。
僕は、この人の書く文章が好きです。内容もさることながら、鷺沢氏ほど美しい・うまい日本語の使い手を僕は知りません。20歳までには緻密で繊細な日本語は完成しており、25歳くらい(多分)を境に力が抜けて、「美しい」文章から「うまい」文章になっていきます。高校後半から大学前半までは、まさにバイブルのように常に枕頭に作品を置いていた作家です。
なので、昨年4月に鷺沢氏が亡くなったときには、非常に大きな衝撃をうけました。これ以上この人の文章が読めなくなることに、勝手に喪失感を感じていました。
実はこの本、『ナグネ・旅の途中―場所とモノと人のエッセイ集』というタイトルで、単行本が発行されています。文庫本しか買わない主義の僕ですが、この本は鷺沢氏が亡くなった直後に購入していました。「買わないでいいかぁ」と思っていたのですが、手にとって見ると、裏表紙には「未発表原稿も収録」の文字が!ということで、角川文庫の計略にかかって買ってしまいました。
自らも言っているように、「社会派」の色彩が強いエッセイも結構入っていますが、メインの主題は「旅」「帰属性」です。内容については昔ほど素直に共感できるものばかりではなくなっているのですが、日本語の使い方はやっぱりうまい。
どうでもいいことですが、表紙の写真が左手に腕時計をしているのが気に食わない。腕時計を右手にしているっていう話(「嘘と腕時計」)を収録するなら、右手に腕時計をして表紙を作ってほしかったな、などと思ってみたり。本当にどうでもいいですが。
2月8日 自宅で読了
★★★★☆
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