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Posted by - 2026.07.04,Sat
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Posted by l.c.oh - 2005.12.16,Fri
 世間はクリスマスモードが色濃くなりつつありますが、全く関係なく、読んだ本を淡々と紹介していくことにしましょう。


綾辻 行人

霧越邸殺人事件



 綾辻行人に手を出してみました。
 「驚愕の結末が絶賛を浴びた超話題作」だそうです。代表作の一つと言ってよいのではないかと思います。

 綾辻氏と言えば、いわゆる「館もの」で有名。「館もの」は、外部から隔絶された一つの特異な建物の中で事件が起こって、内部のみで最終的に解決するもの、と僕は認識しています。最近ミステリーを読んでいないのでぱっと例が出てこないのですが、森博嗣の『六人の超音波科学者 』なんかがそうですかね。本書でも顔を出す、かの有名な『そして誰もいなくなった 』なんかも、広い意味で「館もの」といえるかもしれません。
 この小説の舞台、「霧越邸」は、信州の山奥にある巨大な建物、という外形的な特異性に加えて、超常現象的な特異性も持った建物。その中に人々が雪で閉じ込められ、そこで北原白秋の童謡になぞらえた連続殺人が起こる、という話です。

 綾辻氏=館もの的認識しか僕にはなかったわけですが、実際読んでみると、作者の深い教養が窺えます。やたら分析的です。
 犯人は真ん中くらいで分かります(分かると思います)。「驚愕の結末」っていうほどのものでもないと思いますが、それなりに楽しませてもらいました。こういう「驚愕の結末」な作品を読むにつけ、新しさを要求されるミステリー作家って大変だなぁと思いますね。

12月17日 移動中に読了
★★★☆☆
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Posted by l.c.oh - 2005.12.15,Thu
 ひどくどうでもいいネタを一つ。

 電子マネーで「「Edy 」ってありますよね。これの語源って、
  E = Euro(ユーロ)
  d = dollar(ドル)
  y = yen(円)
 なんだそうです。これらの通貨に比肩できるくらいすごい通貨になるぞ、ってな意味らしいです。しってました?
 Edyの語源については、Edyで用いられているFeliCaという技術を開発したソニーの元会長の「出井(いでい)」氏をもじった、という俗説があるようですが、これはどうも嘘らしい。

 ちなみに、SuicaやICOCAで用いられている技術もFeliCaです。Suicaの特徴は、端末(改札機など)が全て、常時LANでホストコンピュータにつながっていることなんだそうで。改札を通過したり物を買ったりした情報は、リアルタイムでホストコンピュータで処理されるということ。つまり、誰がいつどこから電車に乗って、途中のキオスクでいくら買い物をして、どこで降りたか、JR東日本は追跡するつもりならできる、ということです。便利なのは大変結構ですが、ちょっと怖い気もします。
Posted by l.c.oh - 2005.12.14,Wed
 書き忘れてました。

 12月7日にでた最高裁判所の判断は、「原告適格を認める」というものに過ぎません。これは、訴訟の入り口の扉が開かれただけで、いわゆる「勝訴」ではありません。まだ、(旧)建設大臣の認可がおかしかった(違法)かそうでないかの争いが残っています。

 もし認可が違法だったとされるとどうなるでしょう?普通であれば、認可が取り消されます。つまり、既にできてしまっている小田急の高架部分は認可なしに建てたことになります。そうなると、できた部分を即座に取り壊して、改めて地下化工事をするのがスジ、ということになりそうです。でもこれではあまりにも金がかかりすぎます。それに、小田急を使って通勤・通学している人の便宜も考えなくてはいけません。
 そこでこのような場合のために、「事情判決」という制度があります(行政事件訴訟法31条。憲法の議員定数不均衡、いわゆる一票の重みの訴訟でも使われます。)。これは、認可などの行政処分が違法だったとしても、原告がこうむる被害などと比べて取り消すのがあまりに大変な場合、取り消さないという制度です。ただ、これでは原告がかわいそうなので、事情判決では、「行政処分は違法だったよ」と宣言することになっています。この宣言は、原告が後で国に損害賠償や慰謝料を請求していくときに大きな意味を持ってくることになります。
 小田急の高架化工事がもう済んでしまっていることを考えると、認可が違法だと判断された場合、この「事情判決」が出る可能性が高いと考えられます。

 ちなみに、認可が違法でないとされると、単純に原告の負けです。その場合、国相手に損害賠償を求めていくのは難しくなるでしょう。騒音被害は小田急相手に補償を要求していくことになるでしょう。

行政事件訴訟法 第31条
 取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。
Posted by l.c.oh - 2005.12.13,Tue
内田 貴
契約の時代―日本社会と契約法

 『契約の再生』(12月2日のエントリ 参照)の続編です。

 1990年から2000年の間に内田教授が発表した数々の論文を元に、大幅な加筆修正を加えたものです。


 『契約の再生』で展開された「関係的契約理論」の、日本民法解釈学へのインパクトが中心に論じられています。

 構成は、前半で、「関係的契約理論」の紹介と、その規範理論としての正当性が論じられています。ただ、規範理論としての正当性を裏付ける思想(第3章)は、「古典的契約理論」における自由主義(意思自律の原則、契約自由の原則)のような明確な形では提示されていないように思います。というか、読んでもいまいちよくわかりませんでした。
 後半は、主として「関係的契約理論」の、説明理論としての妥当性が論じられています。内田教授の主張としては、「古典的契約理論」の立場からは例外的事例として扱われている信義則(民法1条2項)適用事例を、「関係的契約理論」を導入することで、契約法の1つの中核として捉える事ができるとしています。つまり、現に裁判官は、関係的契約理論的な法の適用を行っているのに、古典的な契約理論がそれを例外に押し込めてしまっている、という主張です。
 感覚としては、今まで「事案の特殊性」として、個別の判例を説明するために言及されていた事実のレベルの話を、整理して理論のレベルに取り込む、という感じでしょうか。


 まぁ、これだけ読んでも、何のことやらさっぱりでしょうね。理論の細かい話は、この本を読んでもらうにしくはなしです。

 内田民法で民法を勉強している人は、読んでみてもいいかもしれません。面白い議論がいろいろ展開されていますし、「もう一歩前へ」のレベルの話が分かりやすくなると思います。


12月13日 通学中に読了

Posted by l.c.oh - 2005.12.12,Mon
 今更ですかね。最近話題の倖田來未が、12週連続でCDを出すそうです。
  オフィシャルウェブサイト
 既に1枚発売されて、オリコンチャートで1位をとったようです。
  yahoo!ニュース
 12週連続って…

 僕が知る限り、こういうお馬鹿な企画は、嘉門達夫 が1994年にやった、「マンスリーCDリリース計画」(12枚)が最初ではないかと思います。嘉門達夫といえば、替え歌メドレー(のみ)が有名で、カラオケではネタにしか使われず、ましてやオリコンチャート1位とは最も縁遠いところにいる歌手の一人。個人的には、ああいうお馬鹿に徹したものもたまらなく好きなのですが、まぁ、大ブレークするタイプの歌手ではないでしょうね。

 ○週連続、というやつは、確か小比類巻かほるが嘉門達夫にやや遅れて「3週連続CDリリース」をやったのが記憶にあります。2ヶ月連続や2週連続は結構例があったように思いますが、3週以上になるとなかなかないような気がします。

 さらにぶっ飛んだものとしては、浜崎あゆみが、2001年2月28日に一挙に8枚シングルをリリースした例がありました。ここまでくると、「シングルとアルバムで2回儲けてやろう」っていう魂胆が見えていやです。

 嘉門氏も小比類巻氏も、僕が一番日本のいわゆる「ポップス」を聞いていた時代に活躍(?)した歌手ですが、今でも活動しているみたいです。最近話題にもならなくなってしまいました。哀しいことです。
Posted by l.c.oh - 2005.12.11,Sun
 小田急訴訟について書いているのですが、なかなかうまく書けません。
 さしあたり、僕の覚書的なものを出してみます。
 続きを書けるのはいつになるかわかりませんが、次の国民審査には間に合わせたい(苦笑)

基本編
これから書きます。


応用編

事案の概要
 平成6年5月に、小田急線の喜多見~梅ヶ丘の高架化工事について、(旧)建設大臣が東京都に認可を出しました。高架化される付近に住んでいる人たちが、「地下化すればよかったのに、騒音の激しい高架化で許可を出したのはおかしい」といって、この許可の取消を求めたのが今回の訴訟です。
 鉄道が引かれる場所に土地を持っていない周辺住民が、この許可の裁判を求めることができるか(原告適格の有無)が1つの大きな争いになりました。なお、この訴訟で問題になった都市計画法の認可については、事業が施工される土地に権利を持っている人(つまり、今回の事件で言うなら、鉄道が引かれる場所に土地を持っている人)だけが原告適格を持つ、とした判決が平成11年にだされています。

裁判所の判断
 平成11年の判断を変更して、周辺住民にも原告適格がある、と判断しました。
 根拠としては、
   都市計画法が環境への配慮を要求している
    ↓だとすると
   環境への配慮について規定した法令として、旧公害対策基本法と、東京都環境影響評価条例(いわゆる「アセス」)の目的なども一緒に考慮すべき
    ↓
   アセスでは、線路から1キロ以内くらいに住んでいる人への影響が考慮される
    ↓だとすると
   都市計画法の認可にあたっても、この範囲に住んでいる人の騒音被害を考える必要がある
    ↓だから
   この範囲に住んでいる人には、建設大臣が騒音被害をきちんと考えたかを争う資格を与える
 という流れになっています。


解釈論(これでもごく概要。行政法を勉強したことのない人にはよく分からないでしょうが、僕自身の覚書のつもりで。)
 原告適格について規定した行政事件訴訟法9条2項は、平成16年の改正で入ったものです。それ以前は1項だけでした。

行政事件訴訟法 第9条1項
 処分の取消の訴え……は、当該処分……の取消を求めるにつき法律上の利益を有するもの……に限り提起することができる。

同2項
 裁判所は、処分又は採決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質ならびにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。(平成16年追加、平成17年4月1日から施行)

 9条2項は、処分等の相手方以外の人の原告適格を判断する際に考慮すべき事項を定めています。非常に長くて読みにくい規定ですが、大きく分けて2つのことを言っています。

  ① 行政処分など根拠法令の趣旨や目的を考慮すること
   ①´ ①を考慮するときには、目的が同じ他の法律も一緒に考慮すること
  ② 処分によって与えられたり侵害されたりする利益の内容や性質を考慮すること
   ②´ ②を考慮するときには、侵害される利益の状況も一緒に考慮すること
  前提として、根拠法令の言葉だけで判断するのはダメ

 9条1項の「法律上の利益」をめぐっては、2項がない時代からその解釈が争われていました。
 学説としては2つの説が対立しています。1つは、法律上保護された利益説、もう1つは、法律上保護に値する利益説です。前者は、処分によって侵害される「利益を処分の根拠法規が保護している」(塩野117頁)場合に原告適格を認める考え方、後者は、「利益が法律によって保護されたもの」である場合に限らず、「事実上の利益でも」(同)原告適格を認める考え方です。前者よりも後者の方が原告適格が認められる範囲は広くなります。例えば、今回の訴訟では、純粋に前者の説を貫くと、都市計画法が、周辺住民が騒音を受けないという利益を保護していると考えることは難しいので、原告適格は認められないことになります。一方後者の説だと認められる可能性が大きいといえるでしょう。

これまでの裁判所の判断
 裁判所は、「法律上保護された利益説」を採っていると言われてきました。しかし、この説を貫くと、実体判断をしないでいわゆる「門前払い」になる場合が多すぎて、国民の救済が十分でないことは古くから意識されています。そこで裁判所は、法律上保護された利益説を守った上で、原告適格を拡げる理屈をいろいろ考えてきました。結果として、法律上保護に値する利益説に接近しています。
 しかし、どこまでいっても基本スタンスは法律上保護された利益説。裁判所は、原告適格を認めるのに慎重すぎる、という批判がありました。原告適格が認められない場合を、メディアではよく、「門前払い」と批判していました。
 裁判所の考えた理屈のエッセンスが集約されたのが、新設の9条2項です。例えば、上記①´は新潟空港訴訟(最高裁平成元年2月17日判決、行政判例百選II.201事件)に由来しますし、②´はいわゆるもんじゅ訴訟(最高裁平成4年9月22日判決、行政判例百選II.202事件)に由来すると考えられます。その意味で、「改正法が全く新たな視点を提供したものではない」(塩野124頁)のです。
 しかし、改正前は、常に9条2項の要素全てが考慮されていたわけではありません。これが、常に全て考慮されるようになったという点で意味があります。さらに、この改正は、国民の救済を実のあるものにしよう、というコンセプトでされたもので、9条2項の判断にあたっても、このコンセプトを尊重することが求められると考えられます。(塩野125頁)

今後の見通し
 今回の判決は、「国民の権利救済」という9条2項のコンセプトを尊重して、平成11年の判例を変更しました。解釈としては、都市計画法の目的などに加えて、環境基本法や東京都の環境影響評価条例(「アセス」)の目的なども考慮しています。9条2項の規定振りに従ったものと言えるでしょう。
 今回の事件は、法改正後、原告適格が問題になった初めての大きな訴訟だったため注目を集めました。最高裁判所が原告適格を拡げる方向で判断したため、今後都市計画法以外の事件でも、「門前払い」をやめる判断が出ることが予想され、メディアなどでも期待されているところです。


 本稿は、塩野 宏行政法〈2〉行政救済法 PP.114-127、行政判例百選 (2) 201事件~204事件、212事件、及び交告教授の大学での講義を参考にして書きました。
Posted by l.c.oh - 2005.12.08,Thu
 今日、アカデミア (文京区本郷にある日本一の輸入楽譜店)に行って、こんなものを買ってきました。


 バルトークのカルテット全集のスコア(Boosy & Hawkes)。ちょっと見にくいですが、金字で書かれているのは、バルトークのサインの転写です。定価11,450円!セールで割引になってましたが、それでも9,000円。結構な散財です。
 6曲全部入っているのでお得といえばお得といえないこともないような…。でもこんなに難しい曲、できるとは思えないので、まぁ無駄遣いでしょうな。『カルテットの楽しみ』という本に、「ヴィオラ弾きは、自分のおいしい曲を探しているうちに楽譜係(収集係)になる」というようなことが書いてありました。僕は自分のおいしい曲を求めているわけではないのですが、やっぱり楽譜係化する傾向があります。ヴィオラ弾きの悲しいサガ。
 ついでにバルトークのカルテット1番のパート譜も買ってきました。1番なら何とかなるかと思いました(6曲の中では一番楽だと言われている)が、全く歯が立ちません。あぁ、でもいつか演りたいな。
Posted by l.c.oh - 2005.12.07,Wed
asahi.comの記事

 小田急高架化をめぐる裁判で、一定の周辺住民に原告適格を認める大法廷判決が、今日出ました。今年3件目の大法廷判決です。
 この事件、行政法の世界では非常に注目を集めていた事件です。小田急の高架化について、行政の出した許可はおかしかったから、許可を取り消してくれ、と、周辺住民が訴えています。
 「原告適格」というのは、裁判で原告になれる資格のことです。これが認められないと、許可がおかしかったかどうかの判断(実体判断)はしてもらえません。
 判決文がまだ出てきていないので、詳しいことは判決文が出てきてから。
Posted by l.c.oh - 2005.12.07,Wed

小澤 征爾, 武満 徹

音楽 新潮文庫


 日本が世界に誇る大音楽家2人の対談集です。

 1970年代に彼らが考えたこと、日本の音楽界への批判的な検討など、非常に興味深い対談が収録されています。
 印象に残ったのは、小澤氏が師匠のシャルル・ミュンシュに言われたという、「力を抜け、頭の力も体の力も手の力も全部抜け!」という言葉。体や手の脱力は、弦楽器をやっていると、非常にうるさく言われること(簡単に抜けるものではないのですが…)。でも、「頭の力」についていえば、よく考えることは言われても、力を抜くとまではまず言われないところです。おそらく、考えに考えてそれが体に染み付いてくると、頭の脱力もできるのだと思います。う~む、先は果てしない。

12月6日 自宅で読了
★★★☆☆
Posted by l.c.oh - 2005.12.06,Tue

恩田 陸

球形の季節


 恩田陸です。完璧にはまる作家ではないのですが、みんなそれなりのクオリティを持っているので、最近よく読んでいます。

 東北の地方都市を舞台に、高校生の間に流れる奇妙な噂をめぐって展開する「学園モダンホラー」です。
 恩田陸は、12月1日のエントリにも書いたように、非常に器用な作家(1日のエントリはどちらかというと否定的な意味でしたが、ここの「器用」は肯定的な意味です。)だと思っています。中でも高校生を描くのが得意なように思います。出世作の『六番目の小夜子 』は高校が舞台ですし、第2回本屋大賞をとった『夜のピクニック 』(未読)も、確か高校生が主人公です。この本も高校という独特の空気を持つ空間や、高校生の不安定な心理を、上手に描いていると思います。
 読み物としてもなかなかおもしろい。

12月5日 移動中に読了
★★★★☆
僕が(一部)書いた本が出版されました
yanagawasemi
柳川範之+柳川研究室[編著]
これからの金融がわかる本
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