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Posted by l.c.oh - 2005.12.13,Tue
内田 貴
契約の時代―日本社会と契約法

 『契約の再生』(12月2日のエントリ 参照)の続編です。

 1990年から2000年の間に内田教授が発表した数々の論文を元に、大幅な加筆修正を加えたものです。


 『契約の再生』で展開された「関係的契約理論」の、日本民法解釈学へのインパクトが中心に論じられています。

 構成は、前半で、「関係的契約理論」の紹介と、その規範理論としての正当性が論じられています。ただ、規範理論としての正当性を裏付ける思想(第3章)は、「古典的契約理論」における自由主義(意思自律の原則、契約自由の原則)のような明確な形では提示されていないように思います。というか、読んでもいまいちよくわかりませんでした。
 後半は、主として「関係的契約理論」の、説明理論としての妥当性が論じられています。内田教授の主張としては、「古典的契約理論」の立場からは例外的事例として扱われている信義則(民法1条2項)適用事例を、「関係的契約理論」を導入することで、契約法の1つの中核として捉える事ができるとしています。つまり、現に裁判官は、関係的契約理論的な法の適用を行っているのに、古典的な契約理論がそれを例外に押し込めてしまっている、という主張です。
 感覚としては、今まで「事案の特殊性」として、個別の判例を説明するために言及されていた事実のレベルの話を、整理して理論のレベルに取り込む、という感じでしょうか。


 まぁ、これだけ読んでも、何のことやらさっぱりでしょうね。理論の細かい話は、この本を読んでもらうにしくはなしです。

 内田民法で民法を勉強している人は、読んでみてもいいかもしれません。面白い議論がいろいろ展開されていますし、「もう一歩前へ」のレベルの話が分かりやすくなると思います。


12月13日 通学中に読了

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