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Posted by l.c.oh - 2005.09.03,Sat
今日取り上げるのは、平成17年1月26日に出された判決です。これは、今回国民審査の対象となっている人が関係した唯一の大法廷判決です。全文は、最高裁判所のHPにあります。
ちなみに大法廷判決というのは、最高裁判所の15人の裁判官が全員参加した裁判のことで、極めて重要な事件や、最高裁判所が前に出した判決の考え方を変更するときに開かれます。
かなり長く書いてしまったので、時間のない方は「詳細」の手前まで読んでいただければごくごく概要は分かるかと。
何が問題になったか
東京都が「日本人以外は管理職に昇進する試験を受けられません」としていたことが、法の下の平等を定めた憲法14条と、それの労働法上の現れである労働基準法3条に違反していないか
裁判所の判断
違反しない
才口千晴裁判官→違反しない(裁判所の判断に同意)
津野修裁判官→違反しない(裁判所の判断に同意)
(この判決が出た当時は、今回の国民審査の対象になる裁判官はこの2人しかいませんでした。)
詳細(といっても、できるだけ簡単に)
まず、この判決だけで、才口裁判官と津野裁判官の投票を決めてしまうのは望ましくないと思います。他のさまざまな要素も考慮して決めてください。
もう1点、なるべく客観的に分かりやすく書くのが目的ですが、どうしても僕のバイアスが入ってしまう点があります。それはご容赦ください。
事実関係
東京都で保健婦(公務員)として働いていたAさんの国籍は韓国籍でした。国籍は韓国籍ですが、日本に永住する特別永住者です。ちなみに、特別永住者とは、終戦以前から日本に住んでいて、サンフランシスコ平和条約によって日本国籍がなくなってしまった外国人とその子孫で、日本に永住することを許可された人たちです。特別永住者は一般的に、生活の本拠が日本にあり、現在では国籍国とのかかわりは非常に薄くなっていることが多いようです。
当時東京都は、管理職になるためには資格試験に受かることが必要で、これに受かると、受験した分野(医療や技術など)以外の管理職にも就けるという仕組みになっていました(現在はどうなっているか分かりません。)。
Aさんが、平成6年と7年に管理職昇進のための資格試験を受けようとしたところ、日本国籍ではないということで、試験をうけられませんでした。結果として、Aさんは、公務員としてそれ以上の昇進ができないことになりました。
法律
憲法14条は、「国民」が法の下に平等であって、人種などによって差別されないと定めています。これを受けて、労働基準法3条は、使用者が労働者を国籍によって差別してはいけない、と定めています。外国人は正確には「国民」にはあたりませんが、法の下の平等は何も国の枠に留まるものではない(前国家的権利と言われます)ので、権利の性質によっては外国人にも保障されると一般に考えられています。
この事件で問題になったのは、外国人が日本の地方公務員の管理職になる権利が日本人と同様に認められるか、という点です。まず、前提となる、外国人が公務員になる、という点については、憲法は権利として保障してはいないが、禁止もしていない(=法律や条例で認めることはOK)と考えられています。しかし、外国人であるがゆえに、できる仕事は限られている、というのが一般的な考え方です。それは、憲法が国民主権(国のあり方は最終的に国民が決めるという考え方)をとっているため、国の重要な決定や政策を外国人にまかせるわけにはいかないからです。政府は、「公権力の行使または国家意思形成の形成への参画にたずさわる公務員」は日本人に限る、としています。いまいち漠然としていますが、とりあえずは、重要な仕事はできませんよ、ということだと考えておけばよいと思います。ちなみに、裁判所は政府に従う必要はないので、この見解に反対することもできます。
さらに、採用の段階では外国人が公務員になる権利は保障されていませんが、いったん採用された後であれば、外国人であるというだけで不当に差別することは許されません。これは労働基準法3条が明確に国籍による差別を禁止していることからもわかります。
東京都は、外国人は一律に管理職になれないという扱いをしていました。管理職といってもいろいろな種類があり、その中には重要でない仕事(というと嘘ですが、要は上の政府の見解に当てはまらない仕事)もあるので、それを一切させないというのはおかしいのではないか、というのがAさんの主張の中心で、一番争いがあったところのようです。
裁判所の判断
裁判所は、上の政府見解を、多少丁寧にした上で、ほとんどそのまま受け入れました。論理としては、
公権力の行使または重要な施策に関する決定
↓
住民への影響が大きい
↓
こういう仕事の責任は、国民主権によって住民に対して最終的な責任を負っている日本人が担当するべき
↓
外国人はこういう仕事はできません
ということになります。
その上で、管理職の種類によって分けるかどうかは東京都が決められることで、分けなかったからといって憲法や労働基準法には違反しないよ、という判断をしました。これは、人事のやり方は東京都が自分で決められる部分があり、その範囲の中に、管理職をその種類で分けて試験をするかや、外国人に受験資格を与えるかどうかが含まれる、ということです。
才口裁判官と津野裁判官は、このような裁判所の判断を「正しい」と判断したわけです。
評価
僕の極めて個人的な意見です。
僕はこの判断にはちょっと疑問を持っています。
裁判所の判断のなかでは、Aさんが特別永住者であるという点が全くといっていいほど考慮されていません。外国人といっても、日本に旅行に来た人・留学している人から、生活の本拠地が完全に日本になっている人までさまざまです。特に、特別永住者の場合は、歴史的な経緯もあり自己のアイデンティティ主張のために国籍は外国にしてあるものの、日本語しかしゃべれないような人もたくさんいるそうです。このような人たちには、もうちょっと柔軟に対応してもよいのではないかと考えています。
藤田宙靖裁判官(今回は国民審査の対象ではありません。)が補足意見のなかで特別永住者を他の外国人と別の取り扱いをする必要はないという意見を述べています。理由としては、特別永住者は日本国内に「在留することのできる地位」があるだけであること、他の法律でも特別永住者を特別扱いしているものはないことをあげています。しかし、これは社会の実態からずいぶんと離れてしまっていると思います。また、裁判所は国会に物申す権利がある(このケースについては国会に裁量があるとしても、裁量権の逸脱と構成する余地もあると思います。)ので、他の法律が特別扱いしていないからといって、別の扱いが望ましいのであれば国会に文句をつけるべきだと思います。
もう1点。公務員になる権利を制限する理由として国民主権をあげるのも的外れだ、という批判がされています。ドイツでは、「行政においては、国民意思の形成ではなく、その実施が重要である」ので、国民意思の形成という国民主権の考え方から公務員になる権利の制限を説明するのはおかしい、と考えられているようです(憲法判例百選 〔第4版〕P.15←amazonに飛びます)。公務員になる権利と選挙ができる権利とは大きな違いがあると僕は考えているので、このような批判ももっともだと思います。
ずいぶんと長くなってしまいました。全部読んでくださった方、ありがとうございます。少しでも参考になればうれしいです。
明日もこんな感じで、非嫡出子の相続分の判決を取り上げようと思っています。
不明確な点や分からない点などにはぜひコメントをお寄せください。
ちなみに、親知らずを抜いたところは強烈に腫れ上がっていて、漫画みたいになってます。痛みはだいぶなくなったので、明日中には何とかなりそうな気配です。
見た目ほどしんどくはないのですが、周りの人が何かと気を使ってくれるので、楽させてもらってます。
ちなみに大法廷判決というのは、最高裁判所の15人の裁判官が全員参加した裁判のことで、極めて重要な事件や、最高裁判所が前に出した判決の考え方を変更するときに開かれます。
かなり長く書いてしまったので、時間のない方は「詳細」の手前まで読んでいただければごくごく概要は分かるかと。
何が問題になったか
東京都が「日本人以外は管理職に昇進する試験を受けられません」としていたことが、法の下の平等を定めた憲法14条と、それの労働法上の現れである労働基準法3条に違反していないか
裁判所の判断
違反しない
才口千晴裁判官→違反しない(裁判所の判断に同意)
津野修裁判官→違反しない(裁判所の判断に同意)
(この判決が出た当時は、今回の国民審査の対象になる裁判官はこの2人しかいませんでした。)
詳細(といっても、できるだけ簡単に)
まず、この判決だけで、才口裁判官と津野裁判官の投票を決めてしまうのは望ましくないと思います。他のさまざまな要素も考慮して決めてください。
もう1点、なるべく客観的に分かりやすく書くのが目的ですが、どうしても僕のバイアスが入ってしまう点があります。それはご容赦ください。
事実関係
東京都で保健婦(公務員)として働いていたAさんの国籍は韓国籍でした。国籍は韓国籍ですが、日本に永住する特別永住者です。ちなみに、特別永住者とは、終戦以前から日本に住んでいて、サンフランシスコ平和条約によって日本国籍がなくなってしまった外国人とその子孫で、日本に永住することを許可された人たちです。特別永住者は一般的に、生活の本拠が日本にあり、現在では国籍国とのかかわりは非常に薄くなっていることが多いようです。
当時東京都は、管理職になるためには資格試験に受かることが必要で、これに受かると、受験した分野(医療や技術など)以外の管理職にも就けるという仕組みになっていました(現在はどうなっているか分かりません。)。
Aさんが、平成6年と7年に管理職昇進のための資格試験を受けようとしたところ、日本国籍ではないということで、試験をうけられませんでした。結果として、Aさんは、公務員としてそれ以上の昇進ができないことになりました。
法律
憲法14条は、「国民」が法の下に平等であって、人種などによって差別されないと定めています。これを受けて、労働基準法3条は、使用者が労働者を国籍によって差別してはいけない、と定めています。外国人は正確には「国民」にはあたりませんが、法の下の平等は何も国の枠に留まるものではない(前国家的権利と言われます)ので、権利の性質によっては外国人にも保障されると一般に考えられています。
この事件で問題になったのは、外国人が日本の地方公務員の管理職になる権利が日本人と同様に認められるか、という点です。まず、前提となる、外国人が公務員になる、という点については、憲法は権利として保障してはいないが、禁止もしていない(=法律や条例で認めることはOK)と考えられています。しかし、外国人であるがゆえに、できる仕事は限られている、というのが一般的な考え方です。それは、憲法が国民主権(国のあり方は最終的に国民が決めるという考え方)をとっているため、国の重要な決定や政策を外国人にまかせるわけにはいかないからです。政府は、「公権力の行使または国家意思形成の形成への参画にたずさわる公務員」は日本人に限る、としています。いまいち漠然としていますが、とりあえずは、重要な仕事はできませんよ、ということだと考えておけばよいと思います。ちなみに、裁判所は政府に従う必要はないので、この見解に反対することもできます。
さらに、採用の段階では外国人が公務員になる権利は保障されていませんが、いったん採用された後であれば、外国人であるというだけで不当に差別することは許されません。これは労働基準法3条が明確に国籍による差別を禁止していることからもわかります。
東京都は、外国人は一律に管理職になれないという扱いをしていました。管理職といってもいろいろな種類があり、その中には重要でない仕事(というと嘘ですが、要は上の政府の見解に当てはまらない仕事)もあるので、それを一切させないというのはおかしいのではないか、というのがAさんの主張の中心で、一番争いがあったところのようです。
裁判所の判断
裁判所は、上の政府見解を、多少丁寧にした上で、ほとんどそのまま受け入れました。論理としては、
公権力の行使または重要な施策に関する決定
↓
住民への影響が大きい
↓
こういう仕事の責任は、国民主権によって住民に対して最終的な責任を負っている日本人が担当するべき
↓
外国人はこういう仕事はできません
ということになります。
その上で、管理職の種類によって分けるかどうかは東京都が決められることで、分けなかったからといって憲法や労働基準法には違反しないよ、という判断をしました。これは、人事のやり方は東京都が自分で決められる部分があり、その範囲の中に、管理職をその種類で分けて試験をするかや、外国人に受験資格を与えるかどうかが含まれる、ということです。
才口裁判官と津野裁判官は、このような裁判所の判断を「正しい」と判断したわけです。
評価
僕の極めて個人的な意見です。
僕はこの判断にはちょっと疑問を持っています。
裁判所の判断のなかでは、Aさんが特別永住者であるという点が全くといっていいほど考慮されていません。外国人といっても、日本に旅行に来た人・留学している人から、生活の本拠地が完全に日本になっている人までさまざまです。特に、特別永住者の場合は、歴史的な経緯もあり自己のアイデンティティ主張のために国籍は外国にしてあるものの、日本語しかしゃべれないような人もたくさんいるそうです。このような人たちには、もうちょっと柔軟に対応してもよいのではないかと考えています。
藤田宙靖裁判官(今回は国民審査の対象ではありません。)が補足意見のなかで特別永住者を他の外国人と別の取り扱いをする必要はないという意見を述べています。理由としては、特別永住者は日本国内に「在留することのできる地位」があるだけであること、他の法律でも特別永住者を特別扱いしているものはないことをあげています。しかし、これは社会の実態からずいぶんと離れてしまっていると思います。また、裁判所は国会に物申す権利がある(このケースについては国会に裁量があるとしても、裁量権の逸脱と構成する余地もあると思います。)ので、他の法律が特別扱いしていないからといって、別の扱いが望ましいのであれば国会に文句をつけるべきだと思います。
もう1点。公務員になる権利を制限する理由として国民主権をあげるのも的外れだ、という批判がされています。ドイツでは、「行政においては、国民意思の形成ではなく、その実施が重要である」ので、国民意思の形成という国民主権の考え方から公務員になる権利の制限を説明するのはおかしい、と考えられているようです(憲法判例百選 〔第4版〕P.15←amazonに飛びます)。公務員になる権利と選挙ができる権利とは大きな違いがあると僕は考えているので、このような批判ももっともだと思います。
ずいぶんと長くなってしまいました。全部読んでくださった方、ありがとうございます。少しでも参考になればうれしいです。
明日もこんな感じで、非嫡出子の相続分の判決を取り上げようと思っています。
不明確な点や分からない点などにはぜひコメントをお寄せください。
ちなみに、親知らずを抜いたところは強烈に腫れ上がっていて、漫画みたいになってます。痛みはだいぶなくなったので、明日中には何とかなりそうな気配です。
見た目ほどしんどくはないのですが、周りの人が何かと気を使ってくれるので、楽させてもらってます。
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Posted by l.c.oh - 2005.09.02,Fri
では参りましょう。
今回国民審査の対象になるのは、最高裁判所裁判官15人のうち6人です。
プロフィールを紹介するにしても、何を取り上げるか等は僕の主観を反映してしまうことはご了承ください。
それぞれの名前をクリックすると、最高裁判所の当人の紹介ページに飛びます(写真付)。顔で選んでしまう、というのもひとつの手かも。
才口 千晴 (さいぐち ちはる)氏
出身:長野県
前職:弁護士
弁護士時代は多数の企業再生案件を手がける。
ダイエーの企業再生ファンドにも、アドバイザーとして参加。
倒産・会社再生の権威として、司法試験委員や法制審議会の委員を勤める。
破産法に関する論文を多数執筆。
最高裁判所裁判官としての主な判断:
非嫡出子の相続分に関する訴訟で違憲の反対意見(詳細は、9月4日に取り上げます)
東京都の外国人管理職昇進拒否事件で合憲の法廷意見に同調(大法廷。詳細は、9月3日に取り上げます)
薬害エイズ問題に絡む名誉毀損事件で、安部医師を批判した記事による名誉毀損を否定(裁判長)(詳細は、9月8日に取り上げます)
津野 修 (つの おさむ)氏
出身:愛媛県
前職:行政官僚
もともとは大蔵官僚だったが、のちに内閣法制局に転身。
1999年からは、内閣法制局長官として、テロ特措法や自衛隊の海外派兵などについて、国会で政府見解を答弁する。
最高裁判所裁判官としての主な判断:
東京都の外国人管理職昇進拒否事件で合憲の法廷意見に同調(大法廷。詳細は、9月3日に取り上げます)
保険金殺人事件で77歳の女性に日本最高齢の死刑判決(裁判長)
元「従軍慰安婦」の補償請求を認めず(裁判長)
水俣病訴訟で国の対応を厳しく非難した判決に裁判官として参加(詳細は、9月9日に取り上げます)
今井 功 (いまい いさお)氏
出身:兵庫県
前職:民事裁判官
最高裁で裁判官をサポートする仕事をしていた期間が長い
調査官として、学校の先生の教える自由が問題になった「旭川学テ事件」を担当
東京地裁にいたときには、主として労働問題を扱う
2002年から2004年まで、東京高等裁判所長官
最高裁判所裁判官としての主な判断:
元「従軍慰安婦」の補償請求を認めず(裁判長、津野氏のものとは別件)
電子投票でトラブルがあった岐阜県可児市議選の無効を認める(裁判長)
中川 了滋 (なかがわ りょうじ)氏
出身:石川県
前職:弁護士
弁護士時代は、日弁連の副会長などを歴任
民事調停のスペシャリストという情報があるが、詳細は不明(すみません)
お詫びに、北陸中日新聞のインタビュー記事へのリンクを張っておきます。
最高裁判所裁判官として主な判断:
信用金庫が内部告発者を解雇した事件で、解雇無効を認める(裁判長)
自己啓発団体「ライフスペース」のミイラ化事件で、不作為(何もしないこと)で殺人罪が成立することを正面から認める(裁判長)(詳細は、9月6日に取り上げます)
堀籠 幸男 (ほりごめ ゆきお)氏
出身:東京都
前職:刑事裁判官
行政の畑をずっと歩んできた人
2000年から2002年に最高裁判所の事務部門のトップ(事務総長)を勤める
2002年から2005年5月までは大阪高等裁判所の長官
最高裁判所裁判官としての主な判断:
任命(2005年5月)されてから間がないので、取り上げるほどの判断は見当たりませんでした。
古田 佑紀 (ふるた ゆうき)氏
出身:北海道
前職:検察官
刑事訴訟のスペシャリスト
いわゆる通信傍受法の制定に携わる
刑法・刑事訴訟法に関する著書多数
最高裁判所裁判官としての主な判断:
任命(2005年8月)されたばかりで、判断は見当たりませんでした。
とまあ、簡単に書くとこんな感じですね。
明日以降は、判断の事実関係について細かく見ていこうと思いますが、堀籠氏と古田氏については最高裁裁判官としての判断が見当たらないので困っています。見つけたら考えます。
今回国民審査の対象になるのは、最高裁判所裁判官15人のうち6人です。
プロフィールを紹介するにしても、何を取り上げるか等は僕の主観を反映してしまうことはご了承ください。
それぞれの名前をクリックすると、最高裁判所の当人の紹介ページに飛びます(写真付)。顔で選んでしまう、というのもひとつの手かも。
才口 千晴 (さいぐち ちはる)氏
出身:長野県
前職:弁護士
弁護士時代は多数の企業再生案件を手がける。
ダイエーの企業再生ファンドにも、アドバイザーとして参加。
倒産・会社再生の権威として、司法試験委員や法制審議会の委員を勤める。
破産法に関する論文を多数執筆。
最高裁判所裁判官としての主な判断:
非嫡出子の相続分に関する訴訟で違憲の反対意見(詳細は、9月4日に取り上げます)
東京都の外国人管理職昇進拒否事件で合憲の法廷意見に同調(大法廷。詳細は、9月3日に取り上げます)
薬害エイズ問題に絡む名誉毀損事件で、安部医師を批判した記事による名誉毀損を否定(裁判長)(詳細は、9月8日に取り上げます)
津野 修 (つの おさむ)氏
出身:愛媛県
前職:行政官僚
もともとは大蔵官僚だったが、のちに内閣法制局に転身。
1999年からは、内閣法制局長官として、テロ特措法や自衛隊の海外派兵などについて、国会で政府見解を答弁する。
最高裁判所裁判官としての主な判断:
東京都の外国人管理職昇進拒否事件で合憲の法廷意見に同調(大法廷。詳細は、9月3日に取り上げます)
保険金殺人事件で77歳の女性に日本最高齢の死刑判決(裁判長)
元「従軍慰安婦」の補償請求を認めず(裁判長)
水俣病訴訟で国の対応を厳しく非難した判決に裁判官として参加(詳細は、9月9日に取り上げます)
今井 功 (いまい いさお)氏
出身:兵庫県
前職:民事裁判官
最高裁で裁判官をサポートする仕事をしていた期間が長い
調査官として、学校の先生の教える自由が問題になった「旭川学テ事件」を担当
東京地裁にいたときには、主として労働問題を扱う
2002年から2004年まで、東京高等裁判所長官
最高裁判所裁判官としての主な判断:
元「従軍慰安婦」の補償請求を認めず(裁判長、津野氏のものとは別件)
電子投票でトラブルがあった岐阜県可児市議選の無効を認める(裁判長)
中川 了滋 (なかがわ りょうじ)氏
出身:石川県
前職:弁護士
弁護士時代は、日弁連の副会長などを歴任
民事調停のスペシャリストという情報があるが、詳細は不明(すみません)
お詫びに、北陸中日新聞のインタビュー記事へのリンクを張っておきます。
最高裁判所裁判官として主な判断:
信用金庫が内部告発者を解雇した事件で、解雇無効を認める(裁判長)
自己啓発団体「ライフスペース」のミイラ化事件で、不作為(何もしないこと)で殺人罪が成立することを正面から認める(裁判長)(詳細は、9月6日に取り上げます)
堀籠 幸男 (ほりごめ ゆきお)氏
出身:東京都
前職:刑事裁判官
行政の畑をずっと歩んできた人
2000年から2002年に最高裁判所の事務部門のトップ(事務総長)を勤める
2002年から2005年5月までは大阪高等裁判所の長官
最高裁判所裁判官としての主な判断:
任命(2005年5月)されてから間がないので、取り上げるほどの判断は見当たりませんでした。
古田 佑紀 (ふるた ゆうき)氏
出身:北海道
前職:検察官
刑事訴訟のスペシャリスト
いわゆる通信傍受法の制定に携わる
刑法・刑事訴訟法に関する著書多数
最高裁判所裁判官としての主な判断:
任命(2005年8月)されたばかりで、判断は見当たりませんでした。
とまあ、簡単に書くとこんな感じですね。
明日以降は、判断の事実関係について細かく見ていこうと思いますが、堀籠氏と古田氏については最高裁裁判官としての判断が見当たらないので困っています。見つけたら考えます。
Posted by l.c.oh - 2005.09.01,Thu
せっかく法律の勉強をしてるんで、国民審査について。
国民審査は、今最高裁判所の裁判官をしている人を辞めさせるかどうかを、国民の投票で決めようという制度です。衆議院選挙と一緒に投票があります。
形式は至って簡単。投票所で渡される投票用紙の、辞めさせるべきだと思う裁判官の欄に×をつけて投票するだけです。投票のうち、×が半数を超えると、その裁判官は罷免されることになります。
とはいえ、最高裁判所の裁判官の名前なんて、投票用紙を見るまで知らない人がほとんどないでしょう。となると、投票行動としては、適当に×をつけてみるか、1つも×をつけないか、になるでしょう。裁判所の活動は自分たちの生活にあまり影響がないと考えている人が多いのか、現実にも、過去19回あった国民審査で、罷免になった裁判官はいません。
でも、せっかく投票できるんだから、国会議員と同じように、きちんと裁判官を評価した上で投票したいと思いません?僕は思うんですけど。
ということで、国民審査の対象になる人のプロフィール(明日の予定)、それぞれの人が下した裁判での判断(明後日以降、いけるところまで)を紹介しようかと思ってます。
何で今日書かないかって?酔ってるからです。すみません。
ちなみに、コンセプトは僕と若干異なりますが、司法フリーライターの方が、国民審査制度と対象の人たちについて非常に詳細でわかりやすい解説を公開していますので、参考にどうぞ。あと、最高裁判所のHPにも、詳しい紹介があります。
国民審査は、今最高裁判所の裁判官をしている人を辞めさせるかどうかを、国民の投票で決めようという制度です。衆議院選挙と一緒に投票があります。
形式は至って簡単。投票所で渡される投票用紙の、辞めさせるべきだと思う裁判官の欄に×をつけて投票するだけです。投票のうち、×が半数を超えると、その裁判官は罷免されることになります。
とはいえ、最高裁判所の裁判官の名前なんて、投票用紙を見るまで知らない人がほとんどないでしょう。となると、投票行動としては、適当に×をつけてみるか、1つも×をつけないか、になるでしょう。裁判所の活動は自分たちの生活にあまり影響がないと考えている人が多いのか、現実にも、過去19回あった国民審査で、罷免になった裁判官はいません。
でも、せっかく投票できるんだから、国会議員と同じように、きちんと裁判官を評価した上で投票したいと思いません?僕は思うんですけど。
ということで、国民審査の対象になる人のプロフィール(明日の予定)、それぞれの人が下した裁判での判断(明後日以降、いけるところまで)を紹介しようかと思ってます。
何で今日書かないかって?酔ってるからです。すみません。
ちなみに、コンセプトは僕と若干異なりますが、司法フリーライターの方が、国民審査制度と対象の人たちについて非常に詳細でわかりやすい解説を公開していますので、参考にどうぞ。あと、最高裁判所のHPにも、詳しい紹介があります。
Posted by l.c.oh - 2005.09.01,Thu
笛が鳴るととりあえず踊ってみる性質なんで、遅ればせながら、どうも最近はやっているらしいBlogに手を染めることにした。
日頃ふと気になったことを、文章にして公開することで自分の考えを精緻化していくのが一応第一義的な目的(こういう目的にしておかないと続かなくなりそうなので)。その過程で、一般に有益な情報を提供できるとよいと思う。
日頃ふと気になったことを、文章にして公開することで自分の考えを精緻化していくのが一応第一義的な目的(こういう目的にしておかないと続かなくなりそうなので)。その過程で、一般に有益な情報を提供できるとよいと思う。
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