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Posted by l.c.oh - 2005.10.15,Sat


塩野 七生

ローマ人の物語 (17)

塩野 七生

ローマ人の物語 (18)

塩野 七生

ローマ人の物語 (18)

塩野 七生

ローマ人の物語 (20)


 塩野七生のライフワーク、ローマ人の物語の、文庫版第7回配本です。
 歴史の教科書ではほとんど登場しない(ネロ帝のキリスト教弾圧の話くらい)4人の皇帝を扱っています。

 扱われている皇帝は、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4人で、カエサルから数えると3番目から6番目までの皇帝です。彼らは、歴史の分野では古くからひどい皇帝だったという評価が定説化していました。
 塩野氏は、「悪名高き皇帝たち」というサブタイトルからも想像できるように、彼らを完全な悪帝とは考えていません。ローマ史上最悪の皇帝として知られるネロですらも、(皇帝としてはともかく)人間としては愛すべき部分のある人物として描かれています。
 この本が扱う時代の最大の参考文献は、タキトゥスの『年代記』だそうで、この本は4人の皇帝をくそみそに書いているそうです。塩野氏は、『年代記』を重んじながら、タキトゥスが後世の歴史認識に与えた影響から、タキトゥスがなぜくそみそに書いたのかまで丁寧に論じています。
 小説家の書いた論説文(的なもの)ですので、非常に読みやすいのですが、分析や洞察は下手な論評よりよほどしっかりしているように感じました。論文としてみると、過度の一般化などが目立つ部分は多いのですが、文章の面白さ、わかりやすさのために瑣末な点は切り捨てた結果でしょう。
 とりあえず、ローマ史の導入として、とても面白い本です。できれば、第1巻から読むことをおすすめします。

10月14日 自宅で読了
★★★★☆
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