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Posted by l.c.oh - 2005.09.19,Mon

小川 洋子

ホテル・アイリス


 小川洋子の本を少し買い込んだので、本の話はしばらく小川洋子だらけになります。文庫本だけなので、博士の愛した公式もブラフマンの埋葬もでてきませんが。

 で、ホテル・アイリスを読みました。
 離島に住む翻訳家の老人と、ある少女の奇妙な関係を描いた作品です。
 好みの分かれる作品だと思います。

 どうでもいいことをいくつか。まず、装丁がよろしくないですね。女性が裸で砂漠に立っている絵が表紙だと、本屋で買うのにはちょっと勇気がいります。あと、帯もよくない。「落伍者のための名作」という表現はどうでしょう。ついでに、裏表紙の紹介文もあまりよくない。「究極のエロティシズム!」とか手垢が3センチくらい積もったようなことを書かれると、逆に買う気をなくします。装丁や帯はさておき、この紹介文には幻冬舎文庫のセンスを疑います。

 読ませる文章です。エロティシズムといっても、「徒に性欲を興奮又は刺激させ」るようなものではなく、性描写に全体が支配されないように、節度をわきまえた描写がなされているように思います。
 雰囲気としては、純文学特有の静けさが全体に漂っています。イベントは起こりますが、それでも本からは全くといっていいほど音が聞こえません。小川洋子の作品は静かな作品が多いという印象があり、これもそのようなものの1つといえそうです。この辺が評価の分かれるところで、ジュンブンガクがあまり好きでない人には、温度の低さとか、やたらテクニカルな印象が強く現れるのではないかと思います。なので、万人受けする感じではありませんが、僕自身はこのような本も好きです。

9月19日自宅で読了
お勧め度:★★☆☆☆

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