ブログ(仮)
Posted by l.c.oh - 2005.09.23,Fri
- 小川 洋子
- 沈黙博物館
博物館技師が、老婆の依頼により、ある村の死者の「形見」を展示する博物館を作る話です。
ちくま文庫なので危惧はしていましたが、案の定ちょっと読みづらいです。
外界から遮断された自己完結的な村という状況設定、そこから逃れられないという宿命じみたもの、世界観の温度の低さ、運命に従順な動物の存在、物語を語る形見の存在などの点で、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の「世界の終わり」に非常に強い近似性が感じられます。
ストーリーや世界観は非常に魅力的だと思います。僕、こういうの好きなんで。ただ、著者がテーマに強いこだわりを持っていたせいか、文章がちょっと粘着質な印象を受けました。結果として、文章の流れが滞りがちになり、読みづらい感じになってしまったように思います。ちょっと残念です。
追記:アマゾンのカスタマレビューを見たら、読みやすかったという意見が多いようですね。一般的に見て読みやすいのであれば、内容はおすすめですので、おすすめ度を訂正しておきます。
9月22日自宅で読了。
おすすめ度:★★★★☆
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