ブログ(仮)
Posted by l.c.oh - 2005.12.04,Sun
- 小川 洋子
- 博士の愛した数式
第1回本屋大賞受賞作、本当に待ちに待った文庫化です。
期待にたがわぬ、非常に面白い小説でした。
80分しか記憶がもたない元数論の教授と家政婦、その息子の交流を描いた物語です。
奇妙な設定とそれを活かす構成のうまさ、美しい日本語、静謐な雰囲気という小川洋子の特徴は相変わらずです。このような小説としてのうまさもさることながら、この小説の一番の持ち味は、数論の「美しさ」がうまく小説の中にちりばめられている点にあるのだと思います。
数論については、僕も詳しいことは知らないので何ともいいがたいのですが、整数のみを対象として、外部の事情や感情を排除している点で、あらゆる学問の中でも最も「純粋な学問」と言ってよいのではないかと思います。この純粋性が、小説に描かれた博士の「穢れなき心」性と共鳴して、非常にきれいに描かれています。
普段何気なく見ている数字が「秘密」を解き明かされていくのは、興味深いものです。
映画化されるみたいですね。博士が寺尾聰というのは、なかなかナイスなキャスティングです。
12月3日 移動中に読了
★★★★★
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