ブログ(仮)
Posted by l.c.oh - 2005.10.18,Tue
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『ローマ人の物語』の文庫版第8回配本です。
第7回よりさらにマニアックな皇帝たちが登場します。
扱われているのは、AD68年夏から97年秋までです。69年に立て続けに帝位についた3人の皇帝と、フラヴィウス朝と呼ばれる3人の皇帝、一応五賢帝に名を連ねているネルヴァ帝の7人の皇帝が登場します。この後のローマ帝国最大の繁栄期、いわゆる「五賢帝時代」につながる時代です。アウグストゥス創設にかかる、外見上元老院を立てながら実際は帝政という「デリケートなシステム」が崩壊の危機に瀕したAD69年と、それを立て直したヴェスパシアヌス帝が中心に描かれています。
ちょっと切ないのは、ネルヴァ帝の扱い。五賢帝の一人として有名なこの皇帝ですが、統治はたったの1年半、やったことといえば、何もしなかったこと、といってもいいくらいにしか書かれていません。割かれているページも高々15ページ。「ネルヴァが五賢帝の一人に加えられた理由は、トライアヌスを後継者に選んだ一事のみ」という歴史家の言葉が象徴的です。高校時代に五賢帝の名前を一生懸命覚えたのはなんだったんだろう、と思ってしまいます。まぁ、五賢帝の存在を知ることで、こうやってローマの通史を読む軸になるのですから、それなりの意味はありますが、でも、学校の歴史教育の限界を感じますね。
10月17日 移動中に読了
★★★★☆
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