ブログ(仮)
Posted by l.c.oh - 2005.12.01,Thu
- 筒井 康隆
- パプリカ
筒井康隆が断筆宣言をする直前に書いた小説です。
他人の夢にジャンクションして精神を探る、夢探偵を題材にした小説です。
夢野久作『ドグラ・マグラ』の紹介に、「一度は精神に以上をきたすと伝えられる、一大奇書」とありましたが、個人的には『パプリカ』の方がよっぽど強烈だと思います。
夢と現実の交錯、というのは小説にはありがちなことではありますが、この小説ありがちな小説とは大きな差があります。
まず、後半のドタバタ感が圧倒的です。前半が面白くないわけではないのですが、これはちょっと毛色の変わった小説を読んでいるときの面白さ。先に進むにしたがって、ナンセンスさも小説のスピードも加速度的に上昇していきます。筒井康隆の本領発揮、こうなるともうやめられません。
さらに、小道具が興味深い。小道具の中でも、おもしろいのが「PT機器」と呼ばれる一群の機械類。これを使うと他人の夢をのぞいたりジャンクションしたりできるという装置類で、精神病の治療に使われるという設定ですが、もしかしたらそのうちこのような機械も登場するかもしれませんね。恐ろしい話です。
最初のほうに出てくる理屈っぽい部分が引っかかって読みにくさを感じた点もありますが、ナンセンス小説に抵抗がない方には是非おすすめしたい本です。
10月27日 自宅で読了
★★★★☆
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